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1922年、ポントス。迫害と強制移住の嵐の中、産婆パルセナと銅細工師である夫は故郷を離れ、海を渡ってギリシャへ向かう。二人が携えていたのは、わずかな衣服と道具、故郷の土、そして命をつなぎ、新しいものを生み出すための技だけだった。
難民としてカト・スホラリにたどり着いた二人は、何もない土地から暮らしを築き始める。銅細工師は働き続け、水車小屋を建て、新しい共同体に根を下ろしていく。パルセナは報酬を求めることなく村の女性たちの出産に立ち会い、生涯にわたり一度も出産を取りこぼさなかった女性として語り継がれる存在となった。
戦争、占領、貧困、偏見、喪失。それでも二人は決して立ち止まらなかった。命が生まれるたびに希望を守り、労働を通して失われた故郷の代わりとなる新しい世界を築いていった。
『一度も産声を取りこぼさなかった女』は、著者の曽祖母パルセナ・カザンツィとその家族の歩みをもとに描かれた、難民生活、助産、家族、創造、忍耐、そして生存についての真実の物語である。歴史の記録に名を残さなかった人々が、どのように命と記憶を次の世代へつないだのかを伝える一冊。
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